テツ@ランニング・ガイ

年間4000キロをランニングするスポーツマーケティングプランナーの野ざらし日記。

太平洋to日本海ラン131km

f:id:tetsu-sports:20221211191356j:imageある日、日本地図を見ていてふと思った。

太平洋から日本海まで走るのに一番短いところはどこだろう。TJARを目指す、と言いながら持ち前のポジティブな性格で、全く逆のアプローチをしている今日この頃。

 

で、地図をどう見ても本州の愛知から福井までがウエスト部分で一番短くて楽そう。目算で120kmちょっと位。これなら土日で行けるだろうと、ちょっと近くのコンビニまで、な気持ちで。これが間違いの元だった。

f:id:tetsu-sports:20221206155738j:imageと言うことで走ってきた太平洋to日本海ラン。

 

スタートは名古屋市水族館のある名古屋港。

北陸に行くので冬用装備をしっかり持ち土曜朝7時スタート。

冬はちょうど朝日がでる時間帯。
f:id:tetsu-sports:20221206155743j:image

走り始めて港内の南極観測船ふじがまず目に入る。

旅路が始まった感あり。

f:id:tetsu-sports:20221206155747j:image

天気は冬晴れ。気温もまだ6℃くらい。

予報はマックス13℃。
f:id:tetsu-sports:20221206155751j:image中川コロナワールド

去年、東海道走った時もこのコロナワールドの前を通ったが名前のインパクトにいつもやられる。

仙台にもあったな。

f:id:tetsu-sports:20221206155810j:image蟹江という町を走り抜ける。

愛知でよく見るベトコンラーメンってベトナム戦争の部隊のことだと思ったらニンニクやら使っている健康増進ラーメンでベストコンディションの略らしい。

いつか食べてみよう。
f:id:tetsu-sports:20221206155819j:image蟹江の出口にある尾張温泉。

愛知随一の源泉掛け流し温泉。

川の上に跨って建つ不思議な建物。
f:id:tetsu-sports:20221206155822j:image

この辺から徐々に文明から自然の比重が増えてくる。
f:id:tetsu-sports:20221206155832j:image

津島神社前を右折。
f:id:tetsu-sports:20221206155836j:image

愛知県は山車文化があるので、この縦長に独特な形の車庫もよく見かける。
f:id:tetsu-sports:20221206155841j:image木曽長良川を渡る。

大体ここまで20km。

暑い寒いがすぐ風で入れ替わるので服装には苦慮した。脱いだり着たり、袖まくったり、ベンチレーションしたり。
f:id:tetsu-sports:20221206155850j:image愛知県から岐阜県へと入る。
f:id:tetsu-sports:20221206155903j:image木曽長良川を過ぎると揖斐川

養老町に入る。

f:id:tetsu-sports:20221211095907j:image基本山越えはないのでどの山の間を越えていくのか。


f:id:tetsu-sports:20221206155911j:imageどんどんと山が近くなっていく。
f:id:tetsu-sports:20221206155919j:image養老駅前。ここまで50km。

居酒屋チェーンの養老乃瀧って、この駅を少し行ったところにある滝から名付けられたらしい。

f:id:tetsu-sports:20221206155924j:imageそんな感じの駅前モニュメント。

f:id:tetsu-sports:20221206155929j:image養老ミート本店。

先週行った店でたまたまここの話が出たので偶然に驚き。
f:id:tetsu-sports:20221206155932j:image肉を買って背負えるわけでもないので飛騨牛の串を買ってランチ。これは美味しい。ベスト串オブザイヤー認定。

f:id:tetsu-sports:20221206155936j:image養老からは関ヶ原方面を目指す。

f:id:tetsu-sports:20221206155940j:image時々古い集落を通る。
f:id:tetsu-sports:20221206155950j:image学校の卒業制作。

この年の卒業生はかなり気合入ってる。

 

f:id:tetsu-sports:20221206155958j:image本州の中間部は水資源が豊富なことが多い。

水が町の中を流れていたり、生活の様子が見えると大体そう。
f:id:tetsu-sports:20221206160007j:image魚が描かれているということはやはり水と共に生きてる町なんでしょう。

上石津という地名が上白石ぽくて嫌いじゃない。

f:id:tetsu-sports:20221206160010j:image日もだいぶ傾いた頃に関ヶ原の町並が見えてくる。

f:id:tetsu-sports:20221206160018j:imageこの辺から「つらら注意」など雪シフトになってくる。

f:id:tetsu-sports:20221206160025j:image徳川家康最後陣地。65km地点。

そこから2kmばかり。
f:id:tetsu-sports:20221206160029j:image狼煙が上がっている当たりが関ヶ原の最終決戦場。
f:id:tetsu-sports:20221206160036j:image映画「関ヶ原」でも三顧の礼をもって迎え入れた島左近。その陣地が手前。その後方、笹尾山の上に石田三成陣地。ここで天下分け目の決戦が繰り広げられた。
f:id:tetsu-sports:20221206160033j:image石田三成陣地の前なのでだいぶ攻められた感有り。

f:id:tetsu-sports:20221206160040j:image近くにあるテーマパーク・関ヶ原ウォーランド
f:id:tetsu-sports:20221206160045j:imageノーモア関ヶ原

ま、よく考えたら戦場だもの。

ウォーランドは閉館時間後だったのが惜しまれる。

f:id:tetsu-sports:20221206160050j:image

外から見える範囲でなかなか香ばしい。

次は行きたい。関ヶ原ウォーランド

f:id:tetsu-sports:20221206160104j:image

関ヶ原は世界三大古戦場らしい。

他は、

ゲティスバーグアメリカの南北戦争

ワーテルロー(フランスのナポレオンのやつ)

さすが天下分け目の戦い。名を連ねてるとは。

世界三大スポーツ大会のように諸説ありそう。

ラグビーワールドカップツールドフランスかはよく議論になる)
f:id:tetsu-sports:20221206160058j:image大一大万大吉の旗印は石田三成

ざっくりいうとOne for All, All for One。

映画「関ヶ原」では最後有村架純岡田准一に向けて唱えている。関ヶ原での石田三成の愛され具合がよくわかる。

f:id:tetsu-sports:20221206160108j:image日が暮れてきて、気温も比例して下がってくる18時過ぎ。f:id:tetsu-sports:20221206160113j:image深夜行軍想定なので持ってきたヘッドライトを点灯。
f:id:tetsu-sports:20221206160117j:imageそして3県目。滋賀県に入る。

とっぷり暮れている。

米原市長岡は源氏ホタルの里。
f:id:tetsu-sports:20221211174357j:image
夏にまた走って通りたい場所。

時間的にはベストタイミングなのだが。いかんせん冬。いま光ってたら人玉しか有り得ない。f:id:tetsu-sports:20221206160144j:image

街灯もない道をヘッドライトを頼りに進む。

f:id:tetsu-sports:20221206160148j:image

深夜のトンネル。

これはなかなか。

f:id:tetsu-sports:20221206160152j:image

抜けたところに昔の横山隧道跡があるのだが、ただでさえ猿と野犬がいたのでもう……ね。

この辺に豊臣秀吉が幼少の石田三成と出会い、召し抱えられた観音寺がある。が、探さない。

 

あとこの辺にアウトドアファンなら堪らないNANGAがある。が、探さない。

闇が怖いから(笑)。

f:id:tetsu-sports:20221206160204j:image

走り続けて85km。夕食は夜9時に滋賀と言えば近江ちゃんぽん。滋賀のちゃんぽんはね。ラーメンなんですよ、奥さん。

f:id:tetsu-sports:20221206160207j:imageそのまま隣のインターネットカフェで小休憩。気温2℃なので身体を暖める。コーヒーを飲んで身体が動くようになったので

再び走り出す。

f:id:tetsu-sports:20221206160217j:image

滋賀県長浜市名刹・長濱神社。

ここの門前町が市街地。f:id:tetsu-sports:20221206160222j:image門前町

f:id:tetsu-sports:20221206160226j:image駅の方へアーケードが伸びている。が、朝5時なので何も開いてない。

f:id:tetsu-sports:20221206160231j:image

曳山博物館がある。

すっごいうろ覚えだが確か豊臣秀吉の子孫誕生を祝って始まったのがここの曳山だったような。長浜も元々違う名で秀吉が治めた時に織田信長の「長」をとって長浜にした。と勝手に思ってる(笑)。

f:id:tetsu-sports:20221206160235j:image

福岡長浜の長浜ラーメン滋賀県長浜にも。 

f:id:tetsu-sports:20221211185258j:image

フィギュアで有名な海洋堂ミュージアム

朝5時でなく、普通に来たい町。

しかしながら日本海を目指して北へ向かう。f:id:tetsu-sports:20221206160244j:image

90km地点。
f:id:tetsu-sports:20221206160247j:image

夜明け前の長浜。

幻想的で美しい。

f:id:tetsu-sports:20221211185436j:image

その美しい道に等間隔に隠れ侍。

夜明け前にはやめてほしい。f:id:tetsu-sports:20221206160255j:image

町を離れ、フィールドへ。気温2℃。f:id:tetsu-sports:20221206160303j:image

ラクラマ装備。

f:id:tetsu-sports:20221206160258j:image

朝食。この後どこで食べられるかわからないのでコンビニで買い、時間節約のために歩き走りながら食べるのが基本。以前の尊敬する上司がローソンからの出向だったので基本ローソンしか行かない自分だが、フィールドではそんなことも言ってられない。あったコンビニに入るのがファンダメンタル(原則)。f:id:tetsu-sports:20221206160307j:image

夜明けの長浜。

f:id:tetsu-sports:20221206160310j:image

画一的な町並みが不思議な区画。
f:id:tetsu-sports:20221206160318j:image

琵琶湖の北端に向けて一本道。f:id:tetsu-sports:20221206160324j:image

街道ぽい蔵の町並みがでてきた……と思ったら
f:id:tetsu-sports:20221206160328j:image

そんな町並みで一際異彩を放つ公民館。

ヤンマーの創業者の生家だったとか。
f:id:tetsu-sports:20221206160332j:image

創業者の名前は山岡さんというのだが、

この町ほぼ山岡姓。プライバシーなき古き良き日本。

f:id:tetsu-sports:20221206160336j:image

余呉川の河原道に合流する。この辺で名古屋港からちょうど100km。

f:id:tetsu-sports:20221206160342j:image

この辺から琵琶湖一周ビワイチのコースに合流。ちらほら自転車旅を見掛ける。f:id:tetsu-sports:20221206160346j:image

賤ヶ岳の七本槍で有名な賤ヶ岳。f:id:tetsu-sports:20221206160355j:image

賤ヶ岳を抜けると琵琶湖の北端。まるで海だな。ここでゴールにしたいくらい(笑)。

だが、あと30km。f:id:tetsu-sports:20221206160359j:image

いくつかのトンネル。歩道があって良かった。

ないと山登りするところだった。
f:id:tetsu-sports:20221206160403j:image

1000mほど続くトンネル。
f:id:tetsu-sports:20221206160407j:image

トンネルを抜けると空気感が変わる。

日本海の天候。

突如10mmの雨が身を打つ。

f:id:tetsu-sports:20221206160410j:image

道の駅、塩津街道あぢかまの里。
f:id:tetsu-sports:20221206160415j:image

琵琶湖の小鮎をいただく。

塩焼きとてんぷらで合計600円也。f:id:tetsu-sports:20221206160420j:image

このエリアに来ると薪を備蓄している家が多い。そう言えばこの旅で薪割りをしている人を3人見た。北陸日本海側の冬は厳しい。
f:id:tetsu-sports:20221206160424j:image

近江塩津駅

f:id:tetsu-sports:20221206160433j:image

福井県へ。110km地点。
f:id:tetsu-sports:20221206160437j:image

雨がさらに冷たく強く。

走っていないと正気を失いそう。

f:id:tetsu-sports:20221206160441j:image

敦賀衣掛大橋。写真で見るよりかなり高い位置を走る。

f:id:tetsu-sports:20221206160448j:image

いよいよ本降り。しかし降り出した雨が止まなかったことはない。f:id:tetsu-sports:20221206160445j:image

少しずつ雨雲が去っていく。f:id:tetsu-sports:20221206160457j:image

ラストスパート福井県の県境で肉離れしたハムストリングを引きずりながら。f:id:tetsu-sports:20221206160502j:image

気比の松原

f:id:tetsu-sports:20221206160507j:image

日本海に到達。

太平洋から131km、32時間半。
f:id:tetsu-sports:20221206160511j:image

シューズは昨年東海道も共にしたアルトラ。

パラダイム6。
f:id:tetsu-sports:20221206160528j:image

バックパックはBlooper Backpacks。

llew35。

 

アップダウンはそんなにない(最高標高200m)はずだが、GPSウォッチは上昇2000mを記録。

そこまではなかった気はするが、スピードになかなか乗らなかったのも事実。

歩道がない車道も多いので時間帯に気をつける必要はあるが、総じて走りやすい道だった。冬は雪や凍結が激しそう。

f:id:tetsu-sports:20221211190819j:image

海はロマン。

太平洋から日本海という過酷なコースの中では一番シンプルでやりやすいコースだったとは思う。夏場にテントを背負って走るなら関ヶ原や長浜NANGA近くにテント場もあるのでそういう楽しみ方もあり。

 

走るだけでなく、景色、食べ物、文化全てが楽しめた旅であった。(了)f:id:tetsu-sports:20221211190824j:image